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1) 食塩を足す
飽和食塩水を追加するのがオーソドックスな方法ですが、元々の水の量が多い場合は飽和食塩水を何度も追加することになり、水層の量がどんどん増えてしまいます。
そこで、固体の食塩を入れてしまうのも手です。
エマルジョン中の油滴が帯びている電荷や水和水の状態が変化して、エマルジョンが解消に向かうことがあります。
20℃の時、水1Lに対して食塩356gが溶解します。これを踏まえて、まずは飽和する量の1/4くらい加えてみて、様子を見ながら、さらに追加していきます。
2) 酸または塩基を加える
案外忘れがちな方法です。
例えば、反応をクエンチした時点で塩基性だった場合、カルボキシル基を持つ有機物は脱プロトン化しており、「石鹸に似た構造」になっています。
エマルジョンになりやすいわけですね。
そこで、希塩酸などで弱酸性にすると、綺麗に相分離することがあります。
そもそもですが、どのような副生成物があるか、面倒と思わずに全て書き出してみることです。
すんなりと解決する方法が見えてくるかもしれません。
3) 遠心分離器を使う
力技ですが、工業的なエマルジョンの解消法(解乳化と呼びます)にも用いられる方法ですので、やってみる価値はあります。
何かを加えたりしないので、とりあえず試すには良い方法です。
そんなの研究室にないよ…と思われるかもしれませんが、生物・生化学系の研究室ならほぼ置いていますので、使わせてもらえないか相談してみてはいかがでしょうか。
「困った時はお互い様」の精神です。
以上、3つの方法を紹介させていただきました。
いずれの方法にも言えますが、まずは少量を別の容器に移して、試してみることです。
上手くいくと分かってから、全量を用いて行いましょう。