・弾性理論から求まる静止土圧係数
フックの法則により求まる鉛直荷重と水平荷重の関係から、静止土圧係数は以下のように設定されます。
K0=ν/(1-ν)
上式をポアソン比の式に変形すると、ν=K0/(1+K0)となります。
・経験式(ヤーキーの式)
ヤーキーの式は、実験結果との対応の良さと式の簡単さから、実用的価値が高く評価されています。
K0=1-sinφ
ただし、誘導に用いた仮定が、
①水平な表面を持つ半無限地盤内の応力とは一致していない
②式に破壊時において定義されるせん断抵抗角φを用いているが、せん断強度は、静止土圧状態とは直接関係ない
という批判もある。
・実験式(過圧密状態の静止土圧係数KOC)
過圧密状態の静止土圧係数K0Cを求める式には、正規圧密状態の静止土圧係数K0を過圧密比OCRで補正する実験式があります。
K0C=K0(OCR)0.42
過圧密状態の静止土圧係数は正規圧密状態より大きい値となりますが、上式はそのようになっています。
各種の静止土圧係数K0の一般値を以下に示します。過圧密粘性土はK0C=1~4の範囲にあるとされています。上の式からK0C=4となる過圧密比を求めてみます。正規圧密状態の静止土圧係数をK0=1.0と仮定すると、K0C=4となる過圧密比はOCR=27.1となります。