なぜ実験記録がそれほど重要なのか?

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実験を行う際は、実際に行ったことを実験ノートに書き留めることが重要です。

次のページで、は実験ノートを書くことの大切さについて触れます。

実験ノートの役割


実験ノートには行った実験手順や反応条件、それにより得られた結果やデータ、データの解析等を細かくありのままに書きます。いつかその実験を再現する必要が出てくる可能性があるということが実験ノートを細かく書かなければならない理由の1つです。

どれだけ良い実験結果が得られたとしても、それを再現できるだけの情報が分からなければ二度とその良い実験結果は得られないかも知れません。また、自分の研究を他人に引き継がせたい時に細かく実験ノートが書かれていれば引き継ぐ相手も研究を進めやすくなります。なので、他人が自分の実験ノートを見て、記載されている通りの手順に従って実験を行うと同じ結果が得られるくらいの詳細さは最低限必要だと私は思います。

もしも実験ノートの通りの手順に従っても同じ実験結果が得られない場合は、情報不足やなんらかの偶然によって得られた結果だったということが考えられます。再現できなければ実験ノートの意味は薄くなります。

加えて、実験ノートに使用した試薬量が書かれていれば、残量を知ることが出来るので試薬管理に役立てることも出来ます。

背景や目的、手順、方法等が詳細であればあるほど特許出願等にも役立ちます。

私の学校では


実験を行う授業では学生は実験ノートを使用します。書く内容は、実験タイトル、実験日、気温、気圧、実験目的、使用する試薬の情報(分子量や融点、沸点、危険性等)、予定している実験手順、実際に行った実験手順(行った時刻)、使用した機器の型番、得られた結果、考察等を詳細に記載して教員がチェックします。

授業での実験は比較的簡単なものが多く、再現する必要がある機会もほとんどないため実験ノートの重要性が感じられないかも知れません。しかしながら、研究が始まると再現を必要とする場面に出会すことはよくあります。

書き方


どのように実験ノートにまとめれば良いかと言いますと、決まりはありません。なので、書き方は人それぞれ異なることになります。実験ノートにはその人の色が強く出ます。但し、ボールペン等の消せない物で書く、文字を消す時は二重線で消し捺印する(訂正日も記載する)、余白が極力少なくなるように書く、グラフ等を貼り付ける場合は貼り付ける紙とノートの境に跨るように貼り付け日を書く、ということが推奨されています。

正直私も実験ノートの大切さは研究が始まってから痛感しました。記録することは面倒かもしれませんが大切なことです。